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第1弾「目的」、第2弾「こだわり」を踏まえて、いよいよ“どの作り方でいくか(仕様)”を決めていきます。仕様は大きく「印刷方法」「作成枚数」「持ち手」の3つがつながり合っていて、どれか1つを決めると、他の条件も自然と絞れていきます。ここでは、現場目線で「こう考えるとスムーズに決められますよ」という考え方をご紹介します。
紙袋の仕様を考えるとき、多くの方がまずデザインから入ります。写真をきれいに出したいのか、ロゴをくっきり見せたいのか、あるいは大きなベタ色でインパクトを出したいのか。こうしたデザイン“見え方”の希望が、印刷方法の向き不向きを決めます。同時に、「ロット(枚数)」と「納期」も重要です。小ロットで急ぎなら、リードタイムが短い作り方となりますし、まとまった量を作るなら、多少リードタイムはかかっても1枚あたりのコストを下げる方法を選択いただくことになるかと思います。
この三つのポイント――デザイン(見え方)・ロット(枚数)・納期――の優先順位を最初に並べてみると、迷いがぐっと減ります。
たとえば
「写真をきれいに/1,000枚前後/できれば通常納期で」という条件なら、答えはほぼオフセット印刷の通常穴あけ紙袋に定まります。
「ロゴだけをはっきり/数百〜1,000枚/短納期で」という場合は、既製袋へのシルク名入れ(必要なら箔)、という形が候補になります。
「とにかく大量に配りたい/絵柄はシンプル/単価を下げたい」なら、輪転式(フレキソ)や海外生産が向いているでしょう。
最も一般的なのはオフセット印刷です。写真やグラデーション、細い文字などの再現性が高く、費用面でもバランスがよいので、特に“ブランドの色や写真をきれいに出したい”というニーズにはまずこれをおすすめします。
「印刷の基本はオフセット印刷」と覚えておいて問題ありません。

一方、輪転式紙袋で使われるフレキソ印刷は、ロール状の紙に連続で刷ってそのまま袋にしていく方式です。凸版(盛り上がった版)で印刷するため、ダンボールのような凹凸のある素材にも対応でき、広いベタ面は力強く出ます。大量生産に強く、単価が安いのでコスト面でメリットがでますが、写真のような繊細な階調、また2色以上の色同士が絡むデザインなどは、色を少しかぶせるように印刷する(トラッピング)必要があるなど、デザイン側の配慮がいくつか出てきます。


ほかに、シルク(スクリーン)印刷や箔押しもよく使われます。既製の無地の紙袋に単色のロゴをのせる、といったシーンに向いており、早く納品できるのが利点です。ただしシルクは網点やグラデーション(色の濃淡)、複数色の掛け合わせができません。ロゴをくっきり見せたいときには強い味方ですが、写真や微妙な色の変化を表現したい場合は、オフセットを選ぶのが無難です。
ここ数年、500〜1,000枚 といったご注文が増えています。このレンジなら、通常穴あけ式の紙袋が一般的で、手貼りであれば何枚からでも柔軟に対応できます。デザインの自由度も高く、小回りが利くのが魅力です。
3,000枚を超えるくらいからは、OFJ紙袋(持ち手も機械で一体加工するタイプ)が視野に入ります。機械のセッティングに時間がかかるため、基本的には2,000枚未満だと難しいのですが、条件によっては対応ができるケースもあります(その場合は納期に余裕を見てください)。
さらに5,000枚以上の大量生産でコストを抑えたいのであれば、上記の輪転式紙袋(フレキソ印刷)の出番です。
海外生産も同じく大量時にコストメリットが大きく、単価を下げやすい反面、輸送・通関を含めて納期は長めになります。なお海外は500枚からでも作成自体は可能ですが、コストメリットを最大化するならまとまったロットで作成するのが、よりメリットが出ます。
正面から見て上辺に穴が見えるのが、いわゆる通常穴あけ紙袋です。最もポピュラーで、国内・海外ともに対応しやすく、手貼り/機械貼りのどちらでも作れます。持ち手の種類(PPやアクリル、紙三本撚りなど)も選択肢が多く、穴が空く位置に文字や重要なロゴがかからないようにデザインすることも大切です。
これに対して、正面に穴が出ないのがOFJ紙袋/輪転式紙袋/ターントップとなります。印刷絵柄をすっきり見せられるので、全面デザインを活かしたい場合には相性が良いです。ただし、OFJは3,000枚以上、輪転式は5,000枚以上といったロットの制限が出てきます。ターントップは基本的に海外生産のため、どれも一定の納期がかかります。イベントに使うのであれば、余裕を持った準備をした上で進行するといいでしょう。

デザイン面では、写真やグラデーションをきれいに出したいならオフセット、ロゴを単色でくっきり・短納期なら既製袋+シルク名入れ(必要に応じて箔)、大量で単価重視・ベタ面が多いなら輪転式(フレキソ)、絵柄を遮らない顔つきを重視するならOFJ/輪転式/ターントップ――というのが基本となります。
が、最終的には「どんな見え方にしたいか(デザイン)」「何枚必要か(ロト)」「いつ使うか(納期)」の優先順位づけが、オリジナル紙袋を作成する上での判断基準、優先順序になります。

ご要望は案件ごとに本当にさまざまです。物理的に難しいこと、また納期がどうやっても間に合わないもの、コストがどうしても合わないもの・・・現実はこのような話も多いですが、それでも諦めずに少しでもご要望にお答えできる方法を提案させていただきます。
弊社では東京近郊なら企画営業がご訪問して、現物サンプルを見ながらベストな作り方を一緒に決めていきます。またオンライン打合せも可能ですのでお気軽にお申し付けください。
第1弾「目的」編、第2弾「こだわり」編とあわせて、今回の「仕様」編が発注前の“地ならし”になれば幸いです。
どうぞお気軽にご相談ください。