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抜き型って本当に必要? ― 紙袋づくりで一度は疑問に思う話。

紙袋や手提げ袋の見積りで、よく聞かれるのが「型代ってかかりますか?」という質問です。
結論から言うと、標準的な角底紙袋なら、基本的に抜き型(トムソン型)は不要です。紙袋を一度バラしてみると分かりますが、ほぼ「長方形の一枚紙を、まっすぐ折って貼っているだけ」なので、輪郭を抜く必要がありません。コート紙157g/晒クラフト120g前後で、弊社テンプレートを利用した通常納期の“ふつうの紙袋”であれば、型代ゼロで考えて大丈夫です。

では、どんなときに抜き型を作る意味・必要が出てくるのでしょうか?

実際に「これは型を起こしましょう」と判断するのは、だいたい次の4パターンです。

目次

抜き型が「あると効く」代表的な4ケース

1.用紙が厚いとき

 コートでも157g超の厚み、カード紙、また特殊紙などコシの強い厚紙で紙袋を作りたい場合には注意が必要です。そのまま折ると
 ・折り目がガタつく
 ・ベタの割れが目立つ
 ・折り位置が安定しない
 といった問題が出やすくなります。いずれも仕上がりのきれいさに影響を与える事象です。
そこで、ビク抜きを入れて、折りスジだけ先に入れておくことで、手貼りでも狙った位置でキレイに折れますし、割れも目立ちにくくなります。そして何より仕上がり品質をキープすることができますので、厚手用紙の案件では、「罫入り抜き型を作成 = 仕上がり品質のための投資」と考えていただき、抜き型を作成して進めることになります。

2.色や柄の境目を“折り目ジャスト”にしたいとき

正面とマチの境目などを、キッチリ折り位置で分けたいデザインのときは要注意です。角底製袋は構造上、どうしても数ミリのズレは発生します。
 弊社テンプレ展開図(右図参照)はそもそも「折りズレ前提」で、色や柄をマチ・口折・底側へ少し“回り込ませる”設計にしていますが、
「それでも折り目ジャストで合わせたい」
という場合は、抜き型で罫線を入れたうえで手貼り、という作り方に切り替えた方が安全です。

3.手貼りで納期を縮めたいとき

 数百〜1,000枚以内で、イベントやオープン日に間に合わせたい、というような“納期勝負”の案件では、きっちり折りスジが入っているかどうかで手貼りスピードがかなり変わります。
 折りスジが入っていれば、作業者は「スジに沿って折って貼るだけ」でよく、経験の差も出にくいです。結果として、同じ人数でも処理枚数が増え、製袋に1週間以上かかるところを数日で上げられるケースもあります。
 ここでは、型代+抜き代をかけてでも間に合わせる、という判断になってきます。

4.構造をいじって強度や形状を変えたいとき

 ワインボトル用など、正面幅とマチが近くて底の重なりが少ない場合、底面に切り込みを入れて重なりを増やすなどの工夫をすると強度が上がります。このように、標準の長方形から外れて構造を変えるときは、輪郭ごとビク抜きが必要です。

 ブランドショップ用の専用袋など、ロングランで同じ仕様を使う案件なら、「構造提案のための型」として投資する価値があります。

    海外生産の手貼り紙袋では、品質管理のしやすさから「罫入り展開図抜き型でビク抜き→手貼り」がほぼ標準になっています。

    抜き型のメリット・デメリット

    抜き型を作るメリットはシンプルに言うと、この3つです。

    • 折り目がきれいに通り、仕上がりの見栄えが良くなる
    • 折り位置のバラつきが減り、デザインどおりの位置で折りやすい
    • 手貼り時の作業性が上がり、結果的に納期短縮につながる

    デメリットは当然、

    • 型代+抜き代(ビク抜き工賃)が追加でかかる
      これだけです。

    なので、実務的には、

    • 用紙:標準厚の範囲か
    • デザイン:折り目ジャスト指定などのこだわりがあるか
    • 納期:通常進行で間に合うか

    この3つをチェックし、どれか一つでも引っかかるなら「抜き型も選択肢に入れる」と考えると判断しやすくなります。

    「紙袋だから型代が絶対かかる/絶対かからない」ではなく、

    この仕様・このデザイン・この納期なら、型を作る必要があるか?

    という視点で整理しておくといいかと思います。

    てさげネットでは、仕様、デザイン、納期などさまざまな状況の中で、紙袋の最適な作り方をご提案させていただきます。
    紙袋づくりで迷ったら一度ご相談してみてください。

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