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レジ袋有料化から数年。紙袋・PE袋の「現在」とこれからについて考察してみる。

2020年7月にスタートした「レジ袋有料化」から数年。街のコンビニやスーパー、アパレルショップのレジ前で戸惑う声も消え、エコバッグの利用やレジ袋の購入は日常に定着しました。

しかし、手提げ袋(オリジナルバッグ)を企画・発注する企業や店舗の担当者様にとっては、この数年間は素材選びとコスト、ブランド価値のあり方が激変した時期でもありました。

「レジ袋有料化後、紙袋やPE(ポリエチレン)袋の需要はどう変化したのか?」 「世界情勢や原材料価格が高騰するなかで、結局のところ、今はどの素材で袋を作るのが正解なのか?」

今回は、レジ袋有料化の背景から、紙袋有料化への波及、近年のSNS・インフルエンサー台頭による「紙袋のアナログ的価値の再評価」、そして世界情勢による原材料高騰のリアルまで、紙袋アドバイザーの視点から5つの章で考察していきます。

目次

第1章:レジ袋有料化の振り返り。SDGsの流れと制度がもたらした「意識の変化」

レジ袋有料化の最大の目的は、世界的な課題である「海洋プラスチックごみ問題」の解決と「地球温暖化の抑制(CO2排出削減)」、そしてSDGs(特に目標12:つくる責任 つかう責任、目標14:海の豊かさを守ろう)への貢献です。プラスチックの過剰な使用を抑制し、生活者が一人ひとりが「これは本当に必要なプラスチックか?」を考えるきっかけを作ることが狙いでした。

環境省が実施した効果検証データによると、制度導入前は「レジ袋辞退率」が約2割〜3割程度にとどまっていたのに対し、有料化のスタート直後から辞退率は約7割〜8割へと急上昇しました。

この変化がもたらした真の意味は、単にプラスチックゴミが何トン減ったかという数値上の成果だけではありません。最大の成果は、それまで「お店で買い物をすれば無料でもらえるのが当たり前」であった使い捨ての袋に対し、消費者がコストと価値を強く意識するようになった点にあります。

第2章:波及した「紙袋有料化」の波。持ち帰り用が激減した現実と数字の裏側

一方でレジ袋有料化義務化の対象外であった紙袋や布袋なども、実際の市場では大きな影響を受けました。

大手ショップに広がった「紙袋の有料化」

環境対応への姿勢の一貫性やコスト圧迫の軽減を理由に、百貨店や有名アパレルブランド、洋菓子チェーンなどが相次いで「紙袋の有料化(1枚あたり20円〜50円程度)」に踏み切りました。これまで販促費(持ち出し)として処理していたコストを適正化する動きが進みました。

持ち帰り用大量生産の紙袋は「激減」

紙袋有料化の波が広がった結果、百貨店やスーパーなどで使われていた「日常の持ち帰り用(使い捨て用)の大量消費型紙袋」の発注数量は一時的に激減しました。従来の「買い物客全員に一律で紙袋を渡す」運用から、「有料でも希望する方にのみ渡す」運用へシフトしたため、大量消費していた大手クライアントからの受注数量はピーク時に比べて明確に落ち込みました。

しかし、この現象は決して「紙袋という存在の終わり」を意味していたわけではありません。むしろここから、「持ち帰り用の日常袋」と「価値を伝えるブランディング袋」という、紙袋の二極化が急速に進んでいくことになります。

第3章:「紙袋=エモい」?アナログ回帰と小ロットイベント需要の急増

日常の買い物でエコバッグが定着し簡易的な持ち帰り袋が削減されていく一方で、紙袋全体に対する人々の「感情」や「価値観」には、全く別の面白い変化が起きていました。

デジタル時代だからこその「アナログ回帰」と体験価値

生活の至る所にデジタル化が進んだ現代だからこそ起こっている「紙袋のアナログ的価値・エモさの再評価」があります。アニメイベント、期間限定のコラボカフェ、個展、展示会、推し活など、リアルな場所で直接手渡されるデザイン性の高い紙袋は、単なる「荷物入れ」ではありません。「その特別な空間を体験した証(思い出の証拠)」であり、「所有欲を満たすコレクターズアイテム」なのです。五感に訴えかける紙袋の質感は、画面の中のデータでは決して代替できない存在として熱く支持されています。

インフルエンサー・エンターテイナーの増大と「ファンコミュニケーション」

近年のSNSの隆盛により、個人のクリエイター、VTuber、アーティスト、同人作家など、「自身のファンコミュニティを持つエンターテイナー」の数が爆発的に増えました。彼ら・彼女らが開催するオフ会やイベント、物販において、ファンとの接点となるパッケージやノベルティのクオリティは極めて重要です。ファンコミュニティ内において紙袋は「ファンとブランドを繋ぐ絆のアイコン」としての役割を果たしています。

「大量生産」から「多品種・小ロット・高品質」へ

このような背景から、現在の紙袋市場では、かつてのような大量生産需要以上に、「こだわり抜いたデザインの紙袋を、イベントに合わせて300枚、500枚、1,000枚といった小ロットで作ってほしい」というニーズが増えています。

第4章:世界情勢・原油価格高騰が与えた衝撃。PE袋の難局と「紙袋」の相対的優位性

ここ数年、製造現場は中東情勢の緊迫化や地政学リスク、原油価格の高騰、歴史的な円安という激流に晒されてきました。

PE袋・PP袋を襲ったコスト高騰

PE袋やPP袋は、主原料が石油化学製品(ナフサ)であり、印刷工程では特殊な「グラビア印刷用溶剤(これも石油由来)」を大量に使用します。そのため、中東危機や原油価格の高騰、原材料不足が勃発した際、真っ先にダイレクトな打撃を受けました。一時期は協力工場において「新規受注の全面停止」という厳しい事態に追い込まれた時期もありました。現在は調達ルートの確保が進み最悪の事態は回避されつつありますが、原材料価格の高止まりは続いています。

※なお、PE袋やPP袋には、圧倒的な防水性や引き裂き強度といった、紙袋には絶対に真似できない機能的メリットが存在しますので適材適所で今後も使われ続けていきます。

相対的に価格と供給が安定している「紙袋」

紙袋も、木材パルプや輸送料金の値上がりなどにより、作成コストは全体的に上昇しています。しかし、石油化学製品がダイレクトな打撃を受ける中で、紙袋は材料調達が比較的安定しており、作成自体を回避するほどの極端な混乱に陥っていないという強みがあります。中国をはじめとする海外の提携工場においても材料は潤沢にプールされており、結果として「PE袋と紙袋の価格差が縮まり、相対的に紙袋のコストパフォーマンスと安心感が際立つ」という状況が生まれています。

第5章:まとめ〜結局のところ、今は何を選ぶべきなのか?〜

レジ袋有料化以降の経緯、消費者の意識変化、エモさを求める小ロット需要の増加、そして世界情勢による原材料コストの推移――。「結局のところ、今、手提げ袋を作るなら何を選べばいいのか?」という疑問に対するプロとしての結論をお伝えします。

結論から申し上げれば、「用途と目的に応じた適切な素材選び」と「価値を伝えるデザインとクオリティ」こそがこれからの手提げ袋作りの正解となるかと思います。

  • PE袋・PP袋をおすすめするケース: 完全な防水性、耐久性、軽量コンパクト性を最優先したい場合。
    • 最適なシーン:屋外スポーツイベント、雨天用のサブバッグ。
       上記用途のほか、大量に作って単価を下げたい場合に最適です。
  • 紙袋をおすすめするケース: ブランディング、ファン化、高級感の演出、イベントの思い出として残したい場合。
    • 最適なシーン:アパレル、ギフト、展示会、同人・IPイベント、推し活。
       小ロットでもオリジナル作成が可能で、デザイン次第で単価以上の価値を生むノベルティになります。

これからの時代に選ばれるのは、お客様の手元に届いたときに「このブランドのショッパー持ってるとテンション上がる!」「可愛い!」「共通の趣味の友人に画像共有したい!」と思ってもらえる、こだわりが詰まった紙袋です。目的やターゲットに合わせて知恵を絞って、過剰なコストをかけることなく最高の手提げ袋を作るためのアドバイスをさせていただきます。お気軽に担当までご相談ください

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