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グラフィックデザインの経験が豊富なプロであっても、オリジナル紙袋(手提げ袋)の展開図を前にすると、思わぬ落とし穴に直面することがあります。

紙袋は平面の印刷物ではなく、何箇所もの折り目を経て立体化する【立体構造物】です。モニター上で完璧に見えるデザインでも、製造工程(製袋・加工)を考慮していないと、「折り目がズレた」「大切な文字が穴で消えた」「特殊加工が割れた」というトラブルの原因になります。
今回は、シンプルなロゴ配置から全面の総柄まで、紙袋デザインで絶対に押さえておくべきポイントとその回避策を、プロの視点から徹底解説します。
紙袋のデザイン性を高める定番テクニックが、「マチ(側面)に色をつける・正面と異なる絵柄を配置する」手法です。正面はシンプルに、マチには鮮やかな色とURLを白抜きで配置するようなデザインは、低コストで高級感を演出できます。
しかし、ここに紙袋特有の罠があります。「正面とマチの境界線(折り目)ピッタリに、色の境目を設定してしまうこと」です。
なぜ「ピッタリ」のデータではいけないのか?
手提げ袋の製袋(袋状にする折り加工)において、機械の物理的な限界や紙の厚みによる「コンマ数ミリ〜数ミリのズレ」は絶対に避けられないからです。高速で動く製袋機の中で紙が折られる際、立体物としてスムーズに開閉するためのわずかな「遊び(マージン)」が必要になります。
もしデータ上で折り目ピッタリに色の境目を設定していると、製袋時にズレが発生した際、以下のような不具合が起こります。
この物理的なズレを目立たせないため、てさげネットでは「正面の絵柄(背景)を、折り目を越えてマチ側へ2mm回し込む(はみ出させる)」データ作成をお願いしています。
正面の背景をマチ側に2mm余分に広げておけば、折り位置が左右に最大1〜2mm動いても、正面から見たときの美しい輪郭は完全に維持されます。

この物理的なズレを目立たせないため、てさげネットでは「正面の絵柄(背景)を、折り目を越えてマチ側へ2mm回し込む(はみ出させる)」データ作成をお願いしています。
正面の背景をマチ側に2mm余分に広げておけば、折り位置が左右に最大1〜2mm動いても、正面から見たときの美しい輪郭は完全に維持されます。

完成した紙袋は、すべて「折りたたまれた状態」で納品・保管されます。ここで重要なのは、「紙袋を折りたたんだとき、裏正面(裏面)の下部には横一直線の折り目が必ず1本入る」という点です。
これを意識せずにレイアウトすると、一番目立たせたいロゴのど真ん中に折り線が刻まれてしまいます。

裏面の下部に必ず入る横方向の折りスジに対して、「重要な絵柄がかかっても大丈夫か」をデザイン時に見極める必要があります。
全面キャラクターや全面総続き柄パターンなら目立ちませんが、企業のロゴマークや重要なキャッチコピーの真ん中に折り線が入ると、見栄えが著しく損なわれます。展開図テンプレートの「底の折り線」の位置を確認し、重要な要素はなるべくその位置を避けて配置するのが鉄則です。
ロゴの位置を避けるべき最大の理由がこれです。高級感を出すためにロゴへ「箔押し」や「UV厚盛り加工」を施すケースは多いですが、これらの特殊加工が折り線に重なると、紙が折れ曲がる圧力に耐えきれず、金箔や樹脂がペキペキとひび割れて剥がれ落ちてしまいます。印刷インクとは異なり非常に目立つ不良となるため、特殊加工は折り線から必ず離してください。
紙袋を折りたたむとき、マチの下部は「内側に向かって三角(V字状)にパタンと複雑に折り込まれる」構造になっています。
展開図テンプレートを見ると、斜めの線が交差しているエリアです。ここが、紙袋の中で最も激しく紙が折れ曲がる場所になります。

紙袋を完全に広げた状態だけをイメージしていると、このマチの下部にまで「店舗一覧の住所」や「詳細な注意書き」などの細かなテキストを配置してしまいがちですが、現実には以下の問題が発生します。
この折りスジが集中するエリアには、読ませるための情報(テキスト、コード類)は配置しないのが鉄則です。
文字情報を入れたい場合は、折り線が一切干渉しない「マチの上半分から中央にかけてのエリア」に配置してください。下部のV字エリアには、正面から繋がる背景色(ベタ塗り)や、多少歪んでも問題のないパターン模様だけを流し込むのがプロの配慮です。
紙袋の上部のフチを内側に数センチ折り返した部分を「口折(くちおり)」と呼びます。ここを覗き込んだときにチラッと見えるメッセージやURL、キャラクターを配置するデザインは非常に人気です。しかし、この狭いエリアにも強力な二大タブーが存在します。
輪転式紙袋以外の口折部分には、持ち手(紐)を取り付けるための加工が施されます。
ここで、口折中央に配置したURLの真ん中に丸穴があけられたり文字が切り抜かれてしまうトラブルが起きます。
展開図テンプレートに示されている「穴の位置」や「切り込みの予定位置」に被らないようにするのはもちろん、印刷や製袋のわずかなズレを考慮し、穴や切り込みの位置から最低でも5mm、できれば10mm(1cm)以上は離して配置する安全マージンを確保してください。
またハッピータックの場合は、穴よりパーツが大きいためさらに逃げる必要があります。こちらも要注意です。

展開図テンプレートを画面で見ると、口折エリアは「一番上」に位置しているため、そのまま通常の向き(上が上、下が下)でレイアウトしてしまいがちです。
しかし、このエリアは製造の最終段階で手前(内側)に向かって180度パタンと折り返されます。
もし画面の向きのまま配置してしまうと、完成した紙袋を上から覗き込んだとき、中の文字やロゴがすべて「上下逆さま(逆立ち状態)」に見えるという致命的なミスにつながります。
口折部分にデザインを載せる際は、折り返されて中から見える状態を逆算し、展開図上ではあえて上下を180度回転させて、逆さまの状態でデータを作成するのが正解です。文字の頭が下を向き、文字の底が一番上のフチに向いている状態が正しいデータとなります。
平面のグラフィックが立体のバッグへと組み立てられるプロセスには、紙袋ならではの物理的なルールがあります。入稿前にデータに致命的な不備がないか、以下のチェックリストを使って最終確認を行ってください。
[ ] 回し込み(塗り足し)は足りているか?
正面とマチの境界線を越えて、正面の背景がマチ側に2mmはみ出しているか?
口折や底面の境界線に対して、10mmの回し込みが確保されているか?
[ ] 正面下部の「折り線」に重要要素が被っていないか?
横一文字の折り線に、ロゴや重要な文字が重なっていないか?
その折り線の上に「箔押し」や「UV厚盛り」などの割れやすい加工が乗っていないか?
[ ] マチの下部の「V字エリア」に細かい情報を入れていないか?
複雑に折れ曲がるエリアに、小さな文字、店舗の住所、QRコードなどが配置されていないか?
[ ] 口折の文字や柄は、穴あけ位置から離れているか?
紐を通す穴や切り込みの位置から、デザイン要素が5mm〜10mm以上離れているか?
[ ] 口折のデザインは「逆さま」になっているか?
内側に折り返されたときに正しい向きになるよう、展開図上で上下が180度反転しているか?
「特殊な形状だから、本当にこのレイアウトでズレないか不安」「このフォントサイズだと折り目で潰れてしまうかも」といった個別の疑問は尽きないものです。そんなときは、一人で悩まずに「てさげネット」の紙袋アドバイザーにご相談ください。
私たちはデータを機械的に印刷するだけでなく、お預かりしたデータに紙袋特有の構造上のリスク(穴への干渉、折り返しの向き、回し込みの不足など)がないかをプロの目で事前に厳しくチェックします。
「ここ、もう少し離した方が綺麗に仕上がりますよ」「こちらで逆さまにデータを修正しておきますね」といった、現場発信の手厚いサポートとデータ修正対応を行っております。
デザイナー様のこだわりを最高のクオリティで形にするため、少しでも不安な点があれば、お見積り段階でもデータ作成の途中でも、いつでもお気軽に弊社営業担当までご連絡ください。皆様からのこだわりが詰まったデザインデータをお待ちしております!
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